自筆証書遺言書保管制度ってどんな制度?

みなさん、こんにちは!

マネーフォーキャストです。

最近、相続相談の中で遺言のお話をさせて頂く機会が何度かありました。

遺言書を書くことについてお話をした時、こんな会話になりました。

お客様 『遺言書を書こうと思うのですが、高額な費用が必要と聞きました。』

私  『遺言書の作成についてはいろいろな方法があり、費用を安く抑えることもできますよ!』

お客様 『自分で書いて保管ということかと思いますが、家に遺言書を保管しておくのも不安で・・・』

私  『法務局で保管して頂ける制度があるのを聞かれたことはありますか?』

お客様 『そうなんですか?知りませんでした』・・・

このお話は【自筆証書遺言保管制度】のことです。

2020年から始まった制度になり、今回はこのことについてお伝えしていこうと思います。

 

自筆証書遺言保管制度とは?

 

今までは相続人が作成した自筆の遺言書の預かり制度はありませんでした。

2020年7月より開始された自筆証書遺言書を管轄の法務局に保管してもらう制度

これを自筆証書遺言書保管制度と言います。

保管は無料ではなく手数料として申請1件で3,900円です。

 

メリットとデメリットは?

【メリット】

■透明性がある

法務局で保管をするため、相続人による改ざんや隠蔽の危険性がありません。

■プライバシーと自由

遺言者は自分の遺言書を自分で書き、内容を自由に決定できます。

公的な証人や専門家の介入は不要で、中身を他人に確認されないため、プライバシーが守られます。

■低コスト

自筆証書遺言書作成と保管は通常、公証人や弁護士を介して行うため、ある程度高額な費用がかかります。

しかし、自筆証書遺言の場合、自身が作成するため、高額なコストを削減できます。

■即時有効力

自筆証書遺言書は遺言者の死後すぐに有効となり、遺産分割手続きを迅速に開始できます。

 

【デメリット】

■紛争リスク

自筆証書遺言書は公的な証人がいないため、遺産割り当てによる紛争や不正が発生するリスクがあります。

分割方法が曖昧に書かれていた場合、分け方で争いとなることがあります。

事前に分割する割合まで記載することが争いを避けるためには重要となります。

■財産の特定が不明瞭

自筆証書遺言書は遺言者が手書きで作成するため、その内容によってリスクが存在します。

例えば、自宅のことだけの記載があり、土地や現預金の記載がない。

土地の記載だけはあるが、他にどんな財産があるか書かれていない。

揉め事の原因にもなりますので記載方法については注意が必要となります。

■内容のチェックがない

法務局で保管をする場合、、、

【日付が記載されているか?】

【遺言書が自筆で書かれているのか?】

【遺言書に署名捺印がされているのか?】

この辺りの最低限の確認のみとなるため、内容のチェックがありません。

見落としがないかなどは自身で確認となります。

 

良い面と悪い面と考えながら・・・

ここまでお伝えしてきたように、自筆証書遺言書保管制度には、メリットもデメリットも存在します。

低コスト・改ざんや隠蔽の恐れがないなどの反面、記載内容によってはトラブルのリスクもあります。

良い面・悪い面それぞれの内容を把握しながら、あなたにとって最良な方法を選択することが重要です。

専門的なことも多いため、気になる点については専門家の意見も参考にしながら作成することも選択肢の1つです。

近年、相続に関する法律改正などいろいろとありますが、あなたにとって有利な情報を日々提供できればと思います。

それではまた、次回。